TSNJが主催する「チベット弾圧抗議デモ」(有村さんが参加したかった方)に参加してきたよ。

http://d.hatena.ne.jp/y_arim/20080323/1206292114
http://d.hatena.ne.jp/muffdiving/20080323/1206280905


主催・開催場所問わずデモに参加された方々、「お疲れ様でした」。

僕もTSNJ主催のデモに参加してきたんだけど、それに関するレポがまだあがってなかったので一応。レポとかするつもりはなかったので写真は撮ってない(いつものこと)し、いつも通り「好きに歩く」ことしかしてないから正確なレポかどうかは分からないけれど。


TSNJ blog: 3/22 チベット武力弾圧に対する中国大使館周辺デモ開催決定
ニュース超速報! 東京のチベット抗議デモに約1500人が参加


出発時間ギリギリに集合場所に到着。思ったより人数が多くて驚く(300人くらいだと思ってた。集合時点で既に体感人数約800人)。デモ出発後にも路上からバラバラと人が紛れてくる。最終的に1000人以上になったんじゃないだろう(主催者発表では1500〜2000人。警察発表は900人)。

ちなみにこれまで参加したデモの中で一番参加者が多かったのは渋谷で行われた「イラク戦争反対」のデモ(その時は主催者発表で5000人)。その時ほどは大きくはないけれど、「デモ」に人が集まりづらい日本で、しかも労組のような左翼団体の“組織票”がほとんどない中これだけの人が集まったのは素晴らしいと思う。

参加者のクラスターもバラバラで、「デモ」にありがちな団体っぽい感じはあまりしなかった。良い意味で「素人臭い」感じ。一部新聞記事では「在日チベット人ら」という?な見出しが付けられてたけど、もちろん参加者の大半は日本人だった。

デモそのものは「落ち着いた」いつも通りのデモという感じ(デモ終了後の集会には“グッときた”けど)。日章旗?を掲げてる人もなかにはいたけどそういう人はごく少数で、上の記事で問題になったような中国人に対する差別的な言動は僕が把握している限りでは存在しなかった(mixi日記なんかではそういう人の存在が報告されてるみたい)。

チベットの国旗も思ったほど多くはなかったし、個人的にはもう少し派手な“仕掛け”があっても良かったと思うんだけど、事態が発生してからデモ開催までの準備期間が短かったことや、一般参加者が多くて統制が難しいことなんかを考えると仕方ないのかもしれない。

ただ余計な仕掛けをしていなかったのが功を奏したのか、沿道の人たちも神妙な面持ちでデモを眺めいていたようで、中には途中からずっと脇を付いて来る人なんかもいた(公安か?とも思ったけど手ぶらだったし最後の集会でも頷きながら話聞いてたから多分違う)。


デモ終了後の集会の様子

そうそう、お坊さんもいたんだよね。なんかシャカシャカ鳴ってるな〜、と思ったらお坊さんが鈴みたいな仏具振りながら「Free Tibet!」とか叫んでて思わず笑ってしまった。日本だとあんましないけど海外だと宗教関係者でも普通にデモ参加するんだよね。というか今回のチベットといい、去年のミャンマーといいお坊さんが率先して体を張ってる。そういう姿を見て日本の仏教関係者は何も感じないのかな。

で、集会が終わった後にずっとチベット問題を支援してる人とちょっと話してみた。その人は海外旅行でチベットに行って以来、この問題に興味を持って10年くらい支援を続けているそうだ。

その人は「今回のデモのようにみんなが関心を持ってくれたのは素直に嬉しい。でも、同時に“そうなってしまったこと=看過し得ない状況になってしまったこと”は残念でならない。本当なら“こうなる前に”なんとかしたかったのだけれど・・・」と言っていて正直耳が痛かった。

その人は別に僕や今回初めてこの問題に関心を持ってデモに参加した人を攻めるつもりじゃない思うけれど、でもそういう問題を知りながら放置してきた(少なくとも僕はビースティ・ボーイズを経由して問題を知っていたし、署名もしたことがある)ことは事実なわけで、それが今回のような“悲劇”を生んでしまったんだと思う。

現時的に考えて、残念ながら「チベット独立」という目はないように見えるけど、ダライ・ラマが主張するような「高度な自治」が実現する可能性は皆無じゃない。その人も言っていたけど、起きてしまった悲劇はもうどうすることもできないが、事態がこれ以上悪化すること、そして今後同じことが起こるのだけは絶対に防がなきゃならない。だから、必要なのは“一過性の反対”ではなく“継続した監視”なんだと思う。

一部、今回の件を“嫌中感情”の正当化ツールとして利用する向きもあるようだけれど、それには断固反対しておく。ただ、そういう感情を抱えている人間も含めて中国、そしてチベットダルフールミャンマーみたいな問題に向き合っていかなければならないってことは事実だと思う。

差し当たり、求める方向性は基本同じなわけだから、まったく会話の余地がないってわけじゃない、と思いたいんだけどね。正直、そんな内輪揉めに労力裂くくらいなら僕は目の前の事態に対処する方策を考えたい。中国国内でも批判の声が出始めたようだし(参照)、ギリシャでも聖火リレーに対する反対運動が起こっている(参照)ところを見ると「もう一息」な感じはする。

とりあえず、あと少し、あと少しだけでいいから、個人的な悪感情は押し留めて、チベットの人々を苦境から救うために行動してくれることをみんなに願うよ。