今日のサッカー豆知識:「ゴールラインの外に倒れている選手」でもオフサイドラインの対象になる
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/euro/08/headlines/20080610/20080610-00000034-spnavi-socc.html
オランダが世界王者イタリアに快勝 - UEFA.com
まさかの展開でイタリアに快勝したオランダですが、問題となったのはファン・ニステルローイの一点目。
ユーロ2008 オランダ対イタリア 前半ハイライト
(2:20秒付近が問題のゴールシーン)
これを見る限り、ファン・ニステルローイはオフサイドポジションにいるように見えます(「オフサイド」の簡単な解説はこちら)。実際にTBSの中継でも「誤審ではないか?」というコメントがされていましたし、スタジオの小倉・加藤も「あれはオフサイド」という認識で一致していたようです。
また、上のスポーツナビでも、
26分にはオランダに先制点が生まれる。オフサイド気味の非常に怪しいポジションにいたファン・ニステルローイが、スナイデルのシュートをゴール前で触って押し込んだ。スクリーンのリプレーを見た後に抗議したトーニは主審から警告を受けた。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/euro/08/headlines/20080610/20080610-00000034-spnavi-socc.html
このように解説されています。
僕も「あれはオフサイドだろう・・・。イタリアついてないな。」と思っていたのですが、どうやらルール上では「オフサイドではない」そうで。
ファン・ニステルローイも「自分はオフサイドだと思った」と振り返り、喜びの輪の中に加わったデ・ヨンもしきりに副審に顔を向け、ゴールを取り消されないか気にしていたほどだった。オーロラビジョンのリプレー画像も、ファン・ニステルローイがオフサイドポジションに立っていたことを示し、イタリアサポーターは大ブーイングだった。
しかし、これはオンサイド。ファン・ニステルローイは語る。
「シュートを打った時は気づかなかったけど、あの時パヌッチがゴールラインの後ろにいたんだ。それでオフサイドはなくなっていた」攻撃の選手と違って、守備の選手はラインの外に立っていたり、プレーに関与しなくても“石”にはなれない。負傷で倒れていても、最後尾にいるDFの選手はそこがオフサイドラインなのである。このような事例は、日本でも1983年の全国高校サッカー選手権の準決勝、韮崎対守山戦であった。このときはDFの選手がタッチライン際で倒れていたのだが、「負傷で倒れているDFがいる場合、どこかオフサイドラインになるか」という議論が起きた。
当時と今とでは、オフサイドのレギュレーションは違うが、それでもDFは常にオフサイドラインの頭数に入ってしまうことに変わりはない。オランダサッカー協会(KNBV)の規則委員長も試合後すぐに、「ファン・ニステルローイのシュートはルール上、間違いなくゴール」と解説している。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/euro/08/text/200806100005-spnavi_2.html
だそうです。
実際にゴールシーンの写真を見てみると、
確かに、ゴールの裏側に倒れている選手(パヌッチ)が見えます。ゴールシーンの直前、ブッフォンと交錯し、そのままゴールラインの外に出ていたようです。
どうやら、どのような理由であっても審判に無断でゴールラインの外に出た場合は「ピッチ上にいるもの」として扱われ、オフサイドラインの対象になるとのこと。
そこそこ長い間サッカーを見てきましたが、このような扱いになることを初めて知りました。イタリア選手の抗議、あるいはTBSの解説などを見る限り、サッカー関係者の間でもそれほど認知はされていないようです。意外な盲点ってやつですね。
まあ、あのゴールは確かに「不運」ではあると思いますが、スコア以上にハイレベルで見所の多いいい試合だったと思います。特にオランダの完成度は予想以上。ブラルースやデ・ヨンといったこれまであまり使われなかった選手を大胆に起用し、イタリアの攻撃陣を完封して見せたファン・バステンの手腕はさすがです。
いやー、やっぱEUROは面白いなぁ。4年に一度と言わず、毎シーズンやってくんないかしら。