2009年ブレイク候補その2:Passion Pit(パッションピット)
前回のEmmy the Great(エミー・ザ・グレート)に続いて今回はPassion Pit(パッションピット)を紹介。
ケンブリッジ出身の5人組エレクトロポップ・バンド。“メンバーが彼女へのバレンタイン・プレゼントとして製作したCDがきっかけでレーベル契約にこぎつけた”という素敵エピソードの持ち主で、今年The Dodosなどをリリースして話題になった「FRENCH KISS」からデビュー。9月にミニ・アルバム『Chunk Of Change』をリリースしています。iTMSでも大々的にフィーチャーされるなどリリース当初から話題となり、素晴らしいリリースが続いているUSインディ・シーンでも特に注目を集めているグループです。
で、このミニ・アルバムが本当に素晴らしい出来でして。系統としてはHot ChipやMetronomy、Van She、Cut Copyなどと同じラインに並べるべきなんでしょうが、それらのバンドと比較しても遥かに参照点が多いんです。
例えばI Am Robot and ProudとBlack kidsがセッションしてるみたいな『I've Got your Number』や、
Passion Pit - I've Got your Number
PhoenixやTahiti80などのフレンチ・ポップに通じるメロディを持った『Smile Upon Me』、
Passion Pit - Smile Upon Me
M83やSchool Of Seven Bellsみたいなネオ・シューゲイザーの隣に並べても全く違和感のない『Better Things』など、よくもまあこんな美味しいところばかりををつまみ食いしていくな、と思うくらい。
Passion Pit - Better Things
しかもAvalanchesやMGMTなどと同様モダン・サイケを通低音としているあたり、とても一筋縄ではいかない感じがします。
しかし、このバンドの白眉は何といってもミニ・アルバムの最後に収録されている『Sleepy head』でしょう。
Passion Pit - Sleepyhead
HIPHOPなんかでよく見られるピッチを上げたヴォイス・サンプルにキラキラしたシンセとファルセット・ボーカルを絡めさせた最高のエレクトリック・サイケ・ソウルで、Danger MouseとDe De Mouseを交配させたかのような独特の浮遊感を感じさせる、ちょっと他にはないレベルの曲になっています。ほんとに最高。
ライブは生ドラム+サンプルでやってるみたいですね。こっちも楽しそうだなー。
Passion Pit - Sleepyhead at Middle East 8/8/08
Passion Pit - I've Got Your Number 9.24.08
Postal Serviceが好きだった人なんかは絶対にはまると思います。ただブリブリいってるだけのエレクトロに飽きてしまった人にもオススメ。アメリカのインディ・シーンは今が最盛期かも。色々と掘り下げてみるとまだまだ面白いバンドがいっぱい出てくると思いますよ。