おっさんも“けいおん!”やっていいですか?〜Tinted Windows『Tinted Windows』


えー、上に並べた画像だけで出オチ感バリバリなんですが。

ちなみに上は平均年齢16歳。下は平均年齢40歳over。人生の曲がり角を過ぎて下り坂に差し掛かる時期で御座います。



http://www.myspace.com/tintedwindows

既にインディ・ロック/インディ・ポップ好きの間では話題になってるこのバンド、メンバーは以下の4人。

ジェイムズ・イハ(The Smashing Pumpkins)
アダム・シュレシンジャー(Fountains Of Wayne)
バン・E・カルロス(Cheap Trick)
テイラー・ハンソン(Hanson)

日本のメディアだと「ジェイムズ・イハの新バンド」みたいな扱いが目立ちますが、バンド結成の中心となったのはFOWのアダム・シュレシンジャー。曲もほとんどアダムが書いてます。ギターはジェイムズ・イハが弾いてますがこのざっくりとしたアレンジは明らかにFOWと同種のものですし、まんまCheap Trickなメロディ展開も含め「アダム・シュレシンジャーの新プロジェクト」と考えるのが妥当でしょう。

アダムとイハは元々一緒にスタジオ持ってたりインディ・レーベルを共同運営(元スマパンのダーシーも絡んでたはず)してて、そこにアダムとはHansonでデビューする前から交友があったらしいテイラーが絡み、最後に「やっぱドラムがいるよね?」ってことでバン・E・カルロスに声をかけた、というのが結成の経緯みたい。その辺はBARKSのインタビューが詳しいですね。

ティンテッド・ウィンドウズ、ウソのようなホントのスーパーグループ結成[前編] | BARKS
ティンテッド・ウィンドウズ、ウソのようなホントのスーパーグループ結成[後編] | BARKS

Tinted Windows - Kind Of A Girl

聞いて分かる通り、基本コンセプトは「今のディティールで70〜80sのポップ・ロックをやる」というもの。FOW自体がそういう傾向が強いんですがNWやカントリー、SSW系にも目配せしているFOWと比べてこっちはよりストレートなポップ&ロックで揃えた形になってます。07年に出た新しいのが妙に枯れた感じになっていて心配だったんですが、これ聞く限りまだ大丈夫そう。微妙に一本調子になっちゃったかな、と思わなくもないですが個人的には結構好きです。ただ、FOWのもうひとつの魅力である“ナードっぷり”は薄くなっちゃってるので、ナード系パワー・ポップを求める人には今ひとつかもしれないですね。

けいおん!」見てるとあまりのキャピキャピっぷりに当てられて、しまいにゃ「可愛い女の子じゃないとポップ・ミュージックはやっちゃいけないんじゃないか。」なんて疑問が沸いてきたりすることもありますが、こうしておっさん達が加齢臭を撒き散らしながらごくまじめに“ポップ・ミュージック”に取り組んでいる様を見ると何故か勇気が沸いてきますね。僕はまだ生きてていいんだ!みたいな。

3月のSXSWでデビュー・ライブを敢行。現在は全米ツアー中とのこと。サマソニ辺りに来て欲しいです。


そういや、2001年に公開された“けいおん!×チャーリーズ・エンジェル”な『プッシーキャッツ』というガールズ・バンド映画があるんですが(ちなみに日本じゃDVDスルー。FUCK!)、この映画に出てくるバンドのスコアもアダムが書いています。これがなかなか良い出来。

Josie and The Pussycats - Three small words

Josie and the Pussycats - Pretend to be nice

Josie & The Pussycats - Shapeshifter

アダムが最初に世に出たのはトム・ハンクスのビートルズ・オマージュ映画『すべてをあなたに』の主題歌(The Wonders『That Thing You Do!』)ですし、ヒュー・グラントとドリュー・バリモアの『ラブソングができるまで』でもテーマソングを書いてます。映画でも地味にいい仕事してるんですよね、この人。

ちなみにこの映画のストーリーなんですが、『ふとしたきっかけで全米デビューした3人が、人気バンドを利用して若者を洗脳、無理やり企業の商品を買わせようとするレコード会社の陰謀を叩き潰す!』というもの。なんというか、「けいおん!」を巡るいろんな状況を連想しちゃいますね。こういうのはいつの時代も変わらないんだろうなぁ・・・。

ティンテッド・ウィンドウズ

ティンテッド・ウィンドウズ

プッシーキャッツ [DVD]

プッシーキャッツ [DVD]

Josie and the Pussycats

Josie and the Pussycats