政治権力による検察のコントロールが甘くなってきている?

inumash2006-02-02

RTCカンファレンスに初参加。

ライブドア事件に関して、保田さんによる事件全体の解説、ガ島通信藤代さん新聞労連委員長の美浦さんトークセッション。

詳しくは主催上原さんのエントリ参照のこと。

特に後半のトークセッションは「検察側の意図や内情」という、普段触れる機会の無い話ばかりで、新しい発見が多かった。論点を整理する為のパズルが1ピース増えた感じ。

また、検察と各メディアの関係性や取材方法にも深く言及されていて、この辺りも興味深かった。ガ島通信さんの『東京地検特捜部の「劇場捜査」ここに極まれり』というエントリに絡めて、「その劇場性は今回特別に意図されたものなのか」という僕の質問に、美浦さんが一言「ひとえにホリエモンのキャラクターによる所だと思います。」と答えられたのにも納得。そういう意味では、やはり彼は特別な存在なんだと思う。

中でも一番面白かったのが、藤代さんの「55年体制が崩れて、検察などへの影響力が薄れてきているのかもしれない。」という発言。これは白眉だった。なるほど、そう考えるとこのタイミングで捜査→逮捕される事による現政権へのダメージや自民党の広報対応の甘さも理解ができる。下らない陰謀論を詮索するより遥かに有効な視点だと思う。願わくば、この状態が将来、つまり次の政権や社会にどういった影響を及ぼすのか、という話も聞いてみたかった。

確かに「政治権力と検察(警察)が完全結託する事」は恐ろしい事だとも思うけど、原理上、政治権力は市民の代表者でもあるわけだから、検察や警察(役割の違いはあれど、現状から相互補完的な権力機構として判断したい)をチェックする立場にいる事は間違いなく、そのコントロールのタガが外れてきているってことは、もっと恐ろしい事なんじゃないだろうか・・・。どっちも嫌だけど。

しかも、現状は「政治家が市民の代弁者」だなんて誰も信じていないわけで・・・

いや、「ライブドア事件」からこんな視点が得られるとは思わなかった。運営の皆さん、藤代さん、美浦さんお疲れ様でした。あとポカリスウェット最高。

こんな面白い話が聞けるんだから、新聞記者はもっともっと自分の言葉で語るべきだ。メディアなんて沈みかけている箱舟に頼るんじゃなく。