2009年ブレイク候補その1:Emmy the Great(エミー・ザ・グレート)

2008年もあと一ヶ月。この一年何をしていたのかまるで覚えていないというライフハック的に最悪な過ごし方をした(おまけに体重が激増して体の色々な部分がエマージェンシーコールを告げている)僕ですが、音楽だけはちゃんと聞いております。

本当なら『このレコードが凄い!2008』とかをやるべきなんでしょうが、結構めんどくさくて飽きてしまったので代わりに“来年ブレイクしそうな有望株”を適当に。今回はその一人目。


Emmy The Great

MySpace.com - Emmy the Great

Emmy The Greatは香港生まれロンドン育ちで日系ハーフの女の子、Emma-Lee Mossのひとりユニット。ニュー・レイブ、ニュー・エキセントリック隆盛の下でじわじわとその勢力を拡大してきた“UKニュー・フォーク・シーン”の次のブレイク候補として期待されています。僕もつい最近知ったばかり何ですがすっごいいいです、この娘。

今までに4枚のEPをリリースしています(ここでは3rd『Gabriel』と4th『We Almost Had A Baby』を)。

Emmy The Great - Gabriel

Emmy The Great - We Almost Had A Baby


それ以外にも、Lightspeed Champion『Galaxy of the Lost』にコーラスでの参加やクリスマスソング『It's Not Like Christmas』の共同作成、またノーマン・クックの新プロジェクトThe BPAでも大々的にフィーチャーされています。

Lightspeed Champion - Galaxy Of The Lost

The BPA - Seattle Feat. Emmy The Great

あとはYo La TengoとCornershopがセッションしたみたいなロンドンのへんてこフォーク・ポップ・バンド「Noah and the Whale」(Laura Marlingが以前在籍してバンドとしても有名)のアルバムにも参加してるという話ですし、“課外活動”もかなり目立ちますね。

彼女の魅力は何といってもそのキュートなルックス・・・ではなくて、確かなソングライティング能力にあります。こと“フォーク”となると、叙情性を押し出すことばかりに意識がいってしまって、基礎的なソングライティングをおざなりにしているようなSSWも少なくありません。結果、なんとなく雰囲気は出ているけれど、全体のイメージがぼやけてしまってまったくフックがかからない、という気の抜けたサイダーみたいな曲ばかりが量産されることになるわけです(で、それに“酔った”シンガーとオーディエンスの共犯関係といったら!)。

そうなる心配は彼女に関しては杞憂でしょう。既にリリースされている楽曲を聞けば、ひとつひとつ丁寧にメロディを積上げていくソングライティング能力の確かさが分かるかと。

あとは既存楽曲のアレンジ能力も凄く高いです。Pixies『Where Is My Mind?』やAsh『Burn Baby Burn』をフォーキーにアレンジした傑作カバーがマイスペにアップされています。

Emmy The Great - Where Is My Mind?

※Burn Baby Burnのカバーも傑作なので是非ともMyspaceへ!

これは個人的な願望なんですが、彼女には是非“映画のサウンドトラック”をまるまる手掛けてもらいたいな、なんて思います。きっと、Badly Drawn Boyの『About A Boy』に匹敵する最高のサントラをつくってくれるはず。それだけのソングライティング能力とポップセンスは確かに持っていると思うんですよね。

Badly Drawn Boy - something to talk about

Badly Drawn Boy - Silent sigh

アルバムのリリースは来年2月になるそうな(DOMINOからのリリース、という噂もあるみたいですね)。期待です。以上、Emmy The Greatでした。

しかし、Lily Allenに始まりKate NashAmy Winehouse、Adele、Laura Marling、Duffyなどなど英国フィメール・ポップ界の人材は本当に尽きないですね・・・。