もう終わりだね・・・

inumash2006-02-28

fujirockers.org '06 大将インタビュー第一弾!

以前のエントリで指摘したとおり、運営側は完全に「レジャー」の方向へ舵を切ったと判断していいでしょうね。残念です。

僕は箱根で生まれ育った人間なので、「自然に囲まれて音楽を楽しむ」なんて、「レジャー」でもなんでもなくただの日常でした。だから、わざわざ苗場まで行ってあんな大勢の人間に囲まれて豚みたいに大騒ぎするなんて、「レジャー」としては有り得ない。なら実家に帰って、芦ノ湖でボート借りて寝転がりながら一日中音楽聴く方を選択します。

僕がフジに期待していたのは、「既存の社会の中に別のルールを持った社会を限定的に創出する」ということの批評性でした。少なくとも、99年に苗場に移った当初はそのような意識は強かったように思います。参加者も、運営側も。

それは幻想だったのかもしれません。それでも、その中から僕が持ち帰る事ができた視点は限りなく大きなものでした。素晴らしい思い出もたくさんあります。

99年、レイジがステージに現れた瞬間の地鳴りのような怒号や、アンダーワールドの「Rez」が鳴った瞬間の流れ星。00年のソウル・フラワー・ユニオンの『満月の夕』。

これら初期の頃の思い出は今まで生きてきた中でも最高の部類に入るものです。

でも、多分、それらに匹敵する感動を得る事はもうできないでしょう。幻想が幻想である事が分かってしまった。そして何より、幻想が幻想である事に気が付かないまま未だに踊っている人達と一緒にいるのは辛すぎる。

フジロックが「レジャー」であるならば、僕はそれを否定はしません。ただ、「レジャー」として見た場合、フジロックは少しも魅力的ではない。もし「レジャー」として運営するのであれば、もう少し運営側が細やかな対応を取るべきでしょう。馬鹿相手に幻想を売り続けるならいいでしょうけど。

さようならフジロック。最後にこの言葉を贈ります。

ファシズムが人を「殺戮機械」へと導くように、レイブは人を「享楽機械」へと先導する。レイブカルチャーのそれはファシズムと近似する。』(アヒム・ゼパンスキー)