オタクとドラッグ〜「電波ソング」と「ストーナーロック」〜

長いから適当に読み飛ばして下さい。

「もってけ!セーラーふく」オリコン週間2位、V6と2000枚差に迫る大健闘! - The Natsu Style

らき☆すた OP「もってけ!セーラーふく

[歌詞]
曖昧3センチ そりゃぷにってことかい? ちょっ!
らっぴんぐが制服…だぁぁ不利ってこたない ぷ。
がんばっちゃ♥やっちゃっちゃ
そんときゃーっち&Release ぎョッ
汗(Fuu)々(Fuu)の谷間に Darlin' darlin' F R E E Z E!!

なんかダるー なんかデるー
あいしテるー あれ一個が違ってるんるー
なやみン坊ー 高鉄棒ー
おいしん簿ー いーかげんにシナサイ

飛んでったアイツの火照るカラダって
所謂ふつーのおにゃのコ
驚いたあたしだけ? 豚骨ハリガネおかわりだだだ
(以下略)

歌詞(暫定) - 「らき☆すたをオリコン1位にしよう」まとめサイト - Seesaa Wiki(ウィキ)

一部で「電波ソング」が熱狂的に支持されてるけど、じゃあこの場合の「電波」ってドラッグと関係ないのかな、なんてことを最近考えていたので、調べようと思ってWikipediaを見たら

電波ソング(でんぱ - )とは、「意図的に下手に唄った声」「意味が崩壊した歌詞」「奇異なサウンドエフェクトによる聴覚的インパクト」「曲や歌詞の本来のテーマに一般的に見ておおよそ合致しない奇異で奇怪な曲や歌詞、振り付けなどを施した楽曲」「一度聞いたら頭から離れないほどのインパクト」などを特徴に持つ音楽の一形態を指すインターネットスラングサブカルチャー用語。

電波系 - Wikipedia

となっていて「ああ、なるほど。ストーナーロックってことか。」なんて思ったのがきっかけ。

ストーナーロックは、

ストーナー・ロックの“ストーン”とは、マリファナなどダウナー系ドラッグ(マリファナは草ですが)で頭がブッとんだ状態を指す隠語であります。
基本的にドゥームメタルストーナーロックとは「演奏者がキメて録音し、聞き手もキメて聞く」ことを前提とした音楽なのです(汗)。

ストーナーロックとは、重く、歪んだ音でギターを掻き鳴らし、ひたすら同じようなフレーズを反復して、聴き手にドープ(マリファナ)を吸引した時のような気分を追体験させてくれるものしていました。

http://members.at.infoseek.co.jp/darkside_mule/homepage/stone.htm

というもの。


Queens of the Stone Age - Feel Good Hit of the Summer

[歌詞]
Nicotine,Valium,Vicodin,Marij uana,Ecstasy,Alcohol and Cocaine

[和訳]
ニコチン、ヴァリウム、ピコディン、マリファナ、エクスタシー、アルコール、コカイン

※これを延々繰り返します。ちなみに「キメ」の部分は「ココココココ、コォォォォク!!!!」となります。

単純に「電波=ラリってる=ストーン」という状態だと解釈した場合、「電波ソング」と「ストーナーロック」の差異は基本的にはないと思うんだよね。

ただ一点だけ違うのは、「ストーナーロック」は明確に「マリファナなどダウナー系ドラッグ」によって引き起こされる状態・感覚の再現を狙っているのに対して、「電波ソング」の場合、あくまで「過剰さ・異様さ」を装っているだけで、具体的なドラッグなどのトリップ体験の「再現」を狙ったものではないということ。

つまり、「ストーナーロック」は具体的な「トリップ体験」をベースに流通しているのに対して、「電波ソング」の場合はそこまでの具体性は持っていないということになる。だから、ここで『「もってけ!セーラーふく」はハイテンションかつ安っぽいからクラック系だね。』とか言っても意味はないわけだ。

ただ残念なのが、いくら日本で「ドラッグ」がタブー視されていると言っても、音楽とドラッグが切っても切り離せない関係だということが共通認識として存在すると思うんだけど、マンガやアニメ、またそれに関連する音楽の話になると途端にその文脈から切り離されてしまうということ。

例えばちょっと古いんだけど、

これとか明らかに「変なところに入っちゃった」時のバッドトリップを再現してるように見えるんだけど、どうもその辺の文脈ってあんまし語られてないような気がするんだよね。

stardust - the music sounds better with you


【「stardust」はコカインのこと。つまり『the music sounds better with you』の『you』はコカイン。】


これみたいに、音楽の場合「ドラッグそのもの」が大きなテーマになり得るのに対して、マンガやアニメの場合は単に作品世界に登場する小道具としてしか扱われないケースがほとんど。

しりあがり寿の作品なんてまんまなはずなんだけど、その語り口は結局つくり手の「作家性」に収束してしまっているように思う。それがいいのか悪いのかは分からないけど。

もちろん、「日本にはドラッグカルチャーが存在しないから」なんて言われてしまえばそれまでだし、全てをそれで語る気は毛頭ないけれど、ただ、「ビジュアル」や「音像」に「ドラッグ」が与える影響はとても大きく、それはマンガやアニメでも同じじゃないかと思う。

その辺が「なかったこと」にされてる感じがしてちょっとつまらないと思った。誰か仕込んどけばいいのに。

あ…ポケモン