『聖火リレーin長野』スタート&ゴール地点状況まとめ

先程長野から戻ってきました。

ライブ中継を見ていた皆さん、バッテリー切れにより中途半端な形で終了となってしまい本当に申し訳ありませんでした。

中継終了後も現場ではチベット支援者と中国支持者の間で小競り合いが続き、警察が介入する場面もありました。TVでどのように報道されていたかは分かりませんが、一通り沿道から参加した者の感想としては「友好」「歓迎」といった言葉からは遠く、むしろ「緊迫」「混乱」という言葉がぴったり合う状況だったと思います。

聖火リレー全体の詳細は夜にでも時系列にまとめてアップしますが、差し当たり、

痛いニュース(ノ∀`) : 【長野・聖火リレー】 “チベット派”、警察の指導によりゴール地点・若里公園に入場禁止”。でも中国国旗はOK…ゴール映像は中国一色? - ライブドアブログ

この件に関して、簡単に状況をまとめます。


元々ここで引用されてる言葉は僕がライブ中継中に繰り返し説明してきたことですので、事実に相違ありません。

チベット国旗、ないしはチベット弾圧に反対するメッセージボードなどを掲げる事、あるいは「チベット支援者だと思われる人物」の行動制限は、スタート地点・ゴール地点双方でかなり厳しく行われていました。

僕はスタートの約2時間前、午前6時前後にスタート地点を通過したんですが、その際も持っていたメッセージボードをバッグにしまうよう、警察から指示を受けました。曰く「君たちをトラブルから守るため。それに従えないなら、ここを通すことは出来ない。」ということ。スタート地点周辺は既に中国の国旗が多数はためいている状況でしたが、それでも「埋めつくされている」という状態ではなくむしろスペースかなりがある状態だったにも関わらず、チベット支援者が国旗やボードを掲げる行為、あるいは「そこに留まること」は許されませんでした。同行していた何人かが抗議の声を挙げましたが、「それはここで話す内容ではない。説明や質問は一切受け付けない。」という形でかなり高圧的な対応をされていました。

その後、警察の指示通りコース上を進み、遠くに善光寺が見える位置(スタートから約200m付近)まで差し掛かったところで、警察に再度止められ「日本の人?中国の人?」と聞かれました。それに対し、持っていたチベット国旗のプラカードを掲げ答えたところ、「ここからこちら側(スタート地点側)には、日本人は行けないから。善光寺の方に行って下さい。」との指示を受けました。同じく、チベット国旗を持ってスタート地点に向かおうとする何人かも、その地点で警察によって追い返されていた状況です

警察の説明では「ここからスタート地点側は中国人の、善光寺側は日本人専用の区画にして、棲み分けをするから。」とのことでしたが、善光寺付近、大門交差点には既に多数の中国国旗がはためいており(もちろん、相応の数のチベット国旗やプラカードを掲げている人もいましたが)、実際には「棲み分け」という状況からは程遠く、「チベット支援者のみがスタート地点から100m〜200mに渡って沿道から排除された」というのが正確な状況だと思います。

結局、スタート時間が迫るにつれて中国支援者の数は多くなり、最終的には2:1の割合になったと思います。同行似ていた人たちは口々に「棲み分けってなんだよ・・・。ここは一体どこの国だ?」という形で警察への不満を漏らしていました。

ゴール地点の状況も全く同じ。僕は11時過ぎにゴール地点である若里公園に到着しましたが、公園の入り口地点で既に「チベット支援者」と「中国支持者」の進行ルートが分けられていました。「中国支援者」はまっすぐ公園の中へ、「チベット支援者」は公園施設裏手の駐車場を通って公園の奥へと通されました。

そこには既に約200名のチベット支援者が集まっていましたが、どうやらここから聖火の様子は一切見ることが出来ない模様で、公園中心の谷のように窪んでいる部分を挟んで聖火ゴール付近に中国側、反対側にチベット支援者という配置がなされていました。チベット支援者の目の前には警察の阻止線が構築され、それ以上前(聖火ゴール側)に近づけない状況でした。公園の外に出るのは比較的自由でしたが、公園内の移動は禁止で、チベット支援者はその一区画に「押し込められていた」というのが正確な状況だと思います。

ライブ中継を再開してから間もなく、支援者の一部から「通せ!通せ!」というシュプレヒコールが挙がり、阻止線を構築する警察との押し問答が始まりました。詳細を確認したところ、支援団体の代表者が、

『警察はあくまで一時的な措置として私たちをここに通した。「後でゴール付近に通すから」という理由で指示に従ったのに、今になって「ゴール付近には入れない。そんな約束はしていない。」と我々との約束を反故にした。どういうことだ!』

という内容の演説を始め、警察がそれを止める、という一幕がありました。

僕は最初からその場にいたわけではありませんので実際にどういう話が両者でなされたのかはわかりませんが、現実に上記のトラブルがあったこと、またチベットを支援する人たちが聖火のゴール地点から遠く離れた公園の一角に追いやられ、公園内の移動も制限され、聖火も全く見ることができなかった、というのは端的な事実です。

その後僕はゴール付近の沿道に移動しましたので以降の状況は分かりませんが、これが僕が現場で見聞きした状況です。

差し当たり、スタート付近、ゴール付近の「中国国旗一色。歓迎ムード。」というのは、警察の恣意的な誘導と行動制限により『演出された光景』であると言わざるを得ないと思います。

スタート&ゴール地点の状況に関しては以上です。それ以外の沿道の状況、また今回参加しての個人的な感想などに関しては今日の夜にでもまとめて再度エントリをあげるつもりです。