馬鹿なクレーマーは他の客を不幸にする。

昨日、祖父の一周忌から帰る途中に『Hot Fuzz』を観てきた。渋谷シネマGAGA!の15:25からの回。そこでの出来事。


実はこの回の上映中、完全に音声が消えるトラブルがあった。音声が消えていたのは、主人公と相棒がポリスアクションもののDVDを眺めながら一夜を明かすシーン。時間にして約5分ほど。

唐突に消えたので一瞬「そういう演出なのか」とも思ったけど、字幕が普通に出てていたのでおかしいことに気がついた。観客数人がフロントに連絡して無事音声が復活したんだけど、結局また5分ほどして中断→音声消えたところから再開、という流れになった。

中断してから再開までしばらく時間がかかりそうだったので飲み物でも買おうと思って客席から出たら、下のロビーからからもの凄い怒鳴り声が聞こえてきた。

ロビーに降りてみると、キャスケットみたいな帽子を被ったおっさん(30代くらい、かな)が、フロントの女の子に罵声を浴びせていた。曰く『映画館がまともに映画を上映できないなんてふざけてる!』『客を馬鹿にしているのか!全額払い戻しろ!』とのこと。

怒鳴られていたスタッフの子は『誠に申し訳御座いません。上映終了後にご対応致しますので…。』ととても丁寧に対応していたのに、そのおっさんは全く聞く耳を持たずただひたすら怒鳴るだけ。最後は被っていた帽子を上島竜平ばりに叩きつけて、『絶対払い戻しにしろよ!』と怒鳴って客席に戻っていった…と思ったらまたすぐに現れて、『観客全員に払い戻ししろよ!』と余計な念押しまでしていった。


物凄く不快な光景だった。一瞬、自分が映画館にいて『Hot Fuzz』を観ている途中なのを忘れてしまうくらいのインパクト。

まあ言ってることそのものは真っ当だと思うけど、何故あそこまで激昂しているのか僕にはさっぱり分からなかった。楽しみにしていた映画が途中で中断されたりしたら誰だって残念に思うだろうし、文句のひとつも言いたくなる気持ちは分かるが、あの激昂っぷりは尋常じゃない。

相手の言うことを聞かず、ただただ一方的に自己の主張をまくし立てる。しかも、理屈を重ねるのではなく暴力的な言葉と感情をそのままぶつけ相手を萎縮させる。相手に落ち度があるのだからその効果は一層高まる。チンピラのやり口と同じ。あれじゃあどんなに真っ当な事を言っていても、その言葉を額面通り受け取ることなんてできなくなる。

そして何より、その罵声が向けられている以外の人達にまで多大な不快感を振りまく。無関係とはいえ、人が怒鳴られているのを見て気分が良くなる人なんてほとんどいないだろう。しかもここは映画館だ。そして観に来てるのは『Hot Fuzz』。最高の爽快感を味わうために来ているのであって、誰かが理不尽に怒鳴られるような不快な光景を観に来ているわけじゃない。

そりゃあのおっさんは満足だろうさ。自分が受けるべき最高のサービス(映画)が劇場の不手際により棄損されて、その不快感を相手や他の客の感情を気にすること無くぶちまけたんだから。乳児が排泄を我慢することがないのと一緒。さぞ気持ちが良いことでしょうよ。

でも、罵声を浴びせられたフロントの女の子はもちろん、偶然その光景見てしまった僕を含むほかの客も、そこで無自覚に振りまかれた怒りや悪意の影響をもろに受ける。乳児に排泄物をひっかけられるのならまだ我慢できるが、相手はおっさんだ。いい歳こいた馬鹿が自分の不快感を解消するために取った行動で、何故無関係の僕が逆に不快感を味合わなきゃならないんだろう?この理不尽さは一体何だ?

しかも、僕が何よりも不快に思ったのが、おっさんが最後に『観客全員に払い戻ししろよ!』と他の客まで巻き込んだ要求をしたこと。まるで『自分は決して個人的な感情で怒鳴ったわけではない。他の観客も含めた“正当な要求”をしただけだ』とでも言うみたいに。

そりゃ劇場としては当然の対応だろう。淀みなく上映されることが前提の映画を途中で止めちまったんだから。しかし、あのおっさんがそれを主張するのは納得できない。散々怒鳴り散らして他の客に不快感を振りまいた挙句、その人達を自分の行為を正当化するために利用してるんだぜ?完全な下種のやり口だろう。結局、劇場側は払い戻しをしていたけど、あのおっさんに同調するのは絶対に嫌だったから僕は払い戻しはしなかった。


そのときロビーにいた他の人達がどう思ったかは知らないが、少なくとも僕はその不快感から再開後もなかなか映画に入り込めなかった。おかげで主人公が“覚醒”するまでのストーリーの転換部分を良く覚えていない。

幸い、僕の不快感に映画の魅力が勝ってくれたおかげで、ラストの最高のアクションシーンまでには“戻ってこれた”から良かったけど、もしこれが『Hot Fuzz』みたいな最高の映画じゃなかったら、あるいは“馬鹿アクションもの”じゃなくて恋愛ものとかドキュメンタリーとかだったら、多分陰惨な感情のまま劇場を出る事になっていたと思う。


今回の件で思い知ったのは、馬鹿なクレーマーが不幸にするのはクレームの対象となるサービス提供者だけじゃないってこと。クレームの現場を目撃してしまった無関係の客にまでその不快感は伝播するし、理不尽なクレームに晒されたサービス提供者を媒介に、不快感が再生産されることだって十分考えられる。

127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/07/13(日) 20:48:17.68 id:EiSzf5Xg0

>>114が一番真理に近いね。
モンペは条件付で納得。


「いいところ→伸びたところ」を明記して欲しい、という訴えまで
具体化して話し合いは終了。


ただ、後日子どもは教師に「ごめんなさい、お母さんがひどいこと言って」と
泣きながら謝ったり、学校を休みがちになっちゃったり。
学期末の振り返りシート(名称はこんな風になりました)は概ね好評だったが、
他の保護者から学校には「何でこんなものをやりはじめたのか?」問い合わせ。


答えられん。


他の教師から俺には「めんどくせ。テメー仕事増やしてんじゃねぇ」と雷。
そのモンペに対応した教師も同じような嫌味を周りから言われ、結局退職。


他のバカ教師がその子の担任になったんだが、
その子に「お前とお前のカーチャンのせい」と言ったとか言わないとか。
あとは分かるな?


モンスターペアレントの相手してたけど何か質問ある?【働くモノニュース : 人生VIP職人ブログwww】

こういうことが起こるのも不思議じゃない。


Hot Fuzz』が、それこそ涙を流しながら爆笑するくらい最高の映画だっただけに、今回の体験は本当に残念だ。近いうちにもう一回観にいくつもりだけど、さすがに同じ体験をすることはないと思いたい。

ああいう馬鹿なクレーマーは、空から先の尖った岩が落ちてきて“事故死”しちまえばいいのにね。

そうそう。ちょうどこんな感じで。