こういうバカが“フェスティバル”を殺す。

音楽に関しては“ネタにマジレス”を恐れないinumashです。


深町センセには悪いが、サマソニでPerfumeを見て、完全にオレはアンチPerfumeになることにした。
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://anond.hatelabo.jp/20080811144621


何かみんな甘くないですか?ダメだよ、増田だからって甘やかしちゃ。バカにははっきり『バカ』って言ってあげないと。

元増田の行動を客観的にまとめると下のようになります。

嫌いなアーティストのために30分以上も前からフロアに陣取り、立つスペースが無い程のすし詰め状態の中アーティスト登場まで待ち続け、案の定ライブが良くないと文句を言い、さらに将棋倒しが起こるほどの異常状態をアーティストサイドの責任だと主張するだけでは飽き足らず、適当な言いがかりでそのファンまで揶揄する。

誰に頼まれたわけでもないのにわざわざ自分から不快の真っ只中に飛び込んでいって「不快だ!」と大騒ぎしている奴を『バカ』と呼ばずして何を『バカ』と呼ぶんでしょうかね。

想像してみましょう。オタク大嫌いな奴がのこのこコミケ会場に出かけて『オタクキモい!』と大騒ぎしている様を。『バカ』でしょ?

ライブハウスのような小さなヴェニューならともかく、余剰スペースが山ほどあるロックフェスの会場で、わざわざ嫌いなアーティストのためにすし詰め状態の中30分以上も待ち続けるなんてどう考えても『バカ』です。何でそんな苦行みたいなことしなきゃいけないのさっぱり分かりません。そこまでしてPerfumeを叩かないといけないほど、彼女達や彼女達のファンに何か恨みでもあるんでしょうか。それとも強度のマゾとか?

元増田が叩いてる“うすっぺらいファン”以上に痛々しくて、正直見てられないんですけど・・・。

あと細かい部分をつっこんでおくと、まず主催者の指示なくしてアーティストが勝手にステージを降りることは基本的に許されません。Perfumeがどうとかアイドルがどうとかは全く関係の無い話です。アーティストの仕事は“パフォーマンス”であり“ステージ進行”や“安全管理”は主催者の仕事です。

僕はBlood Red Shoesを観てたのでPerfumeのライブ中にフロアがどういう状態だったのかは伝聞でしか知りませんが、入場制限が遅れたのも、その状態のままライブを進行させたのも基本的に主催者の判断でありその責を負うのもまた主催者です。観客全てをステージ上から制御できるアーティストなどこの世に存在しません。

それから各ステージのセットチェンジ中のMCに対する反応が薄いのはデフォでしょ?フェスに通っている人間ならみんな知ってることじゃないですか。誰のファンとかは関係ないと思いますが。しかも、その時は既にすし詰め状態だったんですよね。そんな状況で律儀にレスポンス返すほど余裕がある奴なんてごく僅かだと思いますけど。

音楽的な評価に関しては過去に何回か書いてるのでそっちを参照のこと。ちゃんと“自分の耳で聞いて”ね。

『GAME』リリース記念!Perfumeを他の国のガールズ・ポップと並べてみるよ。 - 想像力はベッドルームと路上から
「Perfume『GAME』は失敗した」とか言ってる人って、単に「エレクトロ」が苦手なだけなんじゃないの? - 想像力はベッドルームと路上から


最後に。

上に書いたこと以上に増田が『バカ』だと思うのは、ダンスステージの惨状に関して、多少なりとも自分の行動が寄与してるっていう自覚が全くないこと。

ロックフェスにおいて、オーディエンスに必要とされるのは何よりも“自主性”です。普通のライブと違い、ロックフェスにおいてオーディエンスに許される自由の範囲はとても幅広い。だからこそ、個々のオーディエンスには自身や周囲の状況を冷静に確認し行動する“自主性”が強く求められます。

ロックフェスの文脈に詳しくない人は、『参加者は全員、場を維持していく立場で参加するものであり、客という立場は存在しない』というコミケの基本理念を思い浮かべて下さい。

そして、それはライブ中も同じです。サマソニでは、ルールの上ではモッシュやダイブは禁止となっています。ペットボトルを投げるのも禁止です。でも、盛り上がってくればモッシュやダイブは自然と起こるものです。ルールを厳密に守ろうとしたら、折角の楽しみも半減してしまいますよね?だから“自主性”が必要になるんです。自分で判断し自分で行動する、という。

だから、サンダル履きでモッシュピットに突っ込んで足を怪我するのも、辺り構わずモッシュして周りの人に蹴飛ばされるのも、女の子が後先考えず最前列に陣取って揉みくちゃにされるのも、基本的にはそいつと周囲のオーディエンスの責任です。

Perfumeの惨状も、主催者側の落ち度と同時に“そこにいた全てのオーディエンス”の自主性が問われる事柄です。主催者の落ち度が明確だとは言え、オーディエンスは家畜ではありません。自分で考え、自分で行動することが許されている以上、自主的に退場する、あるいはアクションを自制する、といった判断が求められます。

つまり、既存のロックフェスの文脈から言えば、元増田はあの惨状を生み出したひとりであり、アーティストサイドにその責任を押し付けたあげく偉そうに他者を揶揄できるような立場にはないんです。

元増田のエントリからは、その自覚も、また自責の念も全く見えてきません。自分がそこにいることが当然であるかのように、あるいは、自分は何もせずとも“最高のライブ”が提供されることが当たり前かのような、とても身勝手で醜悪なエントリです。

こんな奴が、さも音楽やロックフェスを“分かっている”かのように振舞うことに、不快を通り越した絶望すら感じます。

元増田のような奴に音楽を語る資格もフェスを語る資格もありません。音楽も聞かなくて結構。一生他人をバカにして遊んでいなさい。音楽は他者を蔑むための道具ではありません。


あと、フェスに行ってどのバンドを観ようが(観まいが)、あるいはどのように過ごそうが個人の自由ですよ、皆さん。一昨年のサマソニで、メタリカのツアーTシャツをお揃いで着ていた中年夫婦が、ビーチステージで『メタリカまでここでビールでも飲んでるか!』と笑っていたのはとてもいい光景でした。