死ぬ直前に聴きたい音楽

FINAL SONG #1

FINAL SONG #1

無人島に持っていくならどのレコード?」というのが定番ですが、この手のお遊びのひとつである「あなたが死の直前に聴きたい曲は?」という質問を有名DJやアーティストにして、その解答をまとめてしまったのがこのレコード。中学生レベルの発想と名門レーベルのネットワークを駆使した実にアホ臭い(!)一枚で御座います。

リリースは先月ですが完全にスルーしてました。rimix誌のディスクレビューで見つけて面白そうだったので友人の葬式帰りに購入。

そういや“音楽オタクの為の音楽オタク映画”『ハイ・フィデリティ』にも「葬式の時にかけてもらいたい曲は何?」みたいなやりとりをするシーンがありましたね。

収録曲をリスト化するとこんな感じ。

1. Erik Satie - 1. Gymnopedie(Selected by DJ T.)
2. Rob Gallagher - Little One(Selected by Gilles Peterson
3. Photek - Modus Operandi(Selected by Storm)
4. The Stranglers - Golden Brown(Selected by DJ Hell
5. Cerrone - Supernature(Selected by Kevin Saunderson
6. Radiohead - Sit Down Stand Up(Selected by Laurent Garnier
7. Chloe - Paradise(Selected by Chloe
8. The Beach Boys - 'Til I Die(Selected by David Holmes)
9. Peggy Lee - Is That All There Is?(Selected by Ewan Pearson)
10. Inti Illimani - Caramba, Yo Soy Dueno del Baron(Selected by Ricardo Villalobos
11. Link - Amenity(Selected by Richie Hawtin
12. Pharoah Sanders - Astral Travelling(Selected by Francois K
13. Brian Eno - An Ending(Ascent)(Selected by Coldcut

個人的に「らしいなぁ〜」と思ったのをピックアップすると、

DJ Hell:The Stranglers - Golden Brown

洒落てますなぁ。さすが、“ダンスミュージック界で最もヴェルサーチが似合う男”で御座いますね。死の瞬間までイメージを崩しません。ここまで完璧だと殺意も湧きませんね。ああ、ほっといてもすぐ死ぬのか。

Kevin Saunderson:Cerrone - Supernature

まさに原点回帰。ユーロ・ディスコのパイオニアなんですが、Kevin Saundersonが選ぶとそれ以上の意味が詰まっているような気がしてくるから不思議です。デトロイトの歴史が浮かんできますね。

Laurent GarnierRadiohead - Sit Down. Stand Up.

歌詞はこんな感じ。

座れ、立て。
座れ、立て。


地獄の淵へ入りゆけ。
地獄の淵へ入りゆけ。
いつ、
いかなるときも。


座れ、立て。
座れ、立て。


俺達はいつでもお前を消せる。
俺達はお前を消せるんだ。
いつであっても
いかなるときも。
座れ、立て。
あぁ


雨粒が・・・雨粒が・・・

暗いよ!

Francois KPharoah Sanders - Astral Travelling

スピリチュアル・ジャズの大家にして、恐らく現代のクラブ・ジャズに最も大きな影響を残したであろうレジェンドのひとり。とっても穏やかに永久の眠りにつけそうです。こういう曲が似合う死に方をしたいものですなぁ。


ちょっと検索してみたらecrnさんのところで既に紹介されてた。

現時点における皆さんのファイナル・ソングをコメント欄かブクマコメントまたはトラバとかで!ください!わたしのはブコメの方へ書きました。

id:starsuite Benjamin Diamondの"Let's Get High"がいいかな
id:mats3003 Bugglesのラジオスターの悲劇で。
id:ecrn わたしは「A Tribe Called Quest - The Love」で。

はてなブックマーク - Final Song #1 - ecrn

ということで遅ればせながら僕のはこれ。

■inumash:Semisonic - Closing Time

Closing time
Open all the doors and let you out into the world
Closing time
Turn all of the lights on over every boy and every girl
Closing time
One last call for alcohol, so finish your whiskey or beer
Closing time
You don't have to go home but you can't stay here


I know who I want to take me home
I know who I want to take me home
I know who I want to take me home,Take me home


Closing time
Time for you to go out to the places you will be from
Closing time
This room won't be open till your brothers or your sisters come


So gather up your jackets,Move it to the exits
I hope you have found a friend


Closing time
You don't have to go home but you can't stay here


I know who I want to take me home
I know who I want to take me home
I know who I want to take me home,Take me home


Closing time
Every new beginning comes from some other beginning's end


[和訳]


終わりの時間。
全てのドアを開け放して、現実の世界に戻らなきゃ。
終わりの時間。
ライトというライトを全部つけて目を覚ますんだ。
終わりの時間。
ほら、これでラストオーダーさ。だからもうウィスキーやビールはお終いにしなきゃ。
終わりの時間。
家に帰らなきゃいけないわけじゃないけど、もうここにはいられないんだ。


誰が家に連れて帰ってくれるか、僕はちゃんとわかってる。
誰が家に連れて帰ってくれるか、僕はちゃんとわかってる。
誰が家に連れて帰ってくれるか、僕はちゃんとわかってる。
ちゃんと家に連れて帰ってよ。


終わりの時間。
君が帰るべき場所に帰る時間だよ。
終わりの時間。
君の家族が迎えに来るまで待ってはいられないんだ。


君のジャケットを拾って、出口まで連れ添ってあげる。
君にも友達が見つかっているといいね。


終わりの時間。
もう帰る時間なんだ。だからここにはいられない。


誰が家に連れて帰ってくれるか、僕はちゃんとわかってる。
誰が家に連れて帰ってくれるか、僕はちゃんとわかってる。
誰が家に連れて帰ってくれるか、僕はちゃんとわかってる。
ちゃんと家に連れて帰ってよ。


終わりの時間。
全ての終わりは新しい始まりを呼ぶのさ。

かっこつけすぎですね。


でもどうせならできるだけ長生きして色んな音楽を聴き続けたいものですねぇ。